ツキは扁桃核の能力
●ツキは扁桃核の能力
「今までの人生がついていたら、その人がついているのは当たり前じゃないか」
と考える人がいるでしょうが、そうではないのです。
私がスポーツ選手を指導するときは、どんな選手にも「自分はついていると思え」と教えます。
今までミスや失敗ばかりして巻け続けてきてもいいのです。
大切なのは過去の記憶データではなく、それを変えてしまうほど強烈な、今の「思い」です。
実際のところ、「自分はついている」と早く思い込めた選手ほど、急速に伸びていきます。
どの分野にも、ツキのある人間とツキのない人間がいます。
多くの人は、ツキや運を偶然の産物、あるいは生まれ持った星と考え、ついてない自分を悲しんだり、幸運に恵まれたライバルを羨んでいます。
しかしツキは偶然でも、星でもありません。
ついている人間はツキの能力を持っています。
“ツキも実力のうち”と言いますが、ツキというのは扁桃核の能力なのです。
ここで考えていただきたいのは、ツキは他人が運んでくれるということです。
自分一人でどんなに努力してもツキはつくれません。
それをもたらすのは必ず他人です。
成功できない努力家が多いのはなぜかというと、彼らは“自力”に頼る気持ちが強すぎて、そのことになかなか氣づけないからです。
スポーツ選手なら、その人の素質を花開かせてくれるのは監督です。
ビジネスマンなら自分を引き上げてくれる上司であり、的確なアドバイスをしてくれる同僚です。
中小企業なら、仕事を発注する会社と顧客が自分を繁盛させてくれます。
そういう監督や上司、同僚、発注元にツキがなければ、自分も巻き込まれて貧乏クジを引くことになり、彼らにツキがあれば、自分のところにもツキが回ってきます。
(中略)
ツキとは、あなたを好きになってくれた他人が運んできます。
ツキのない人に好かれ、その人の不運のおかげで自分も一生ウダツがあがらなかったり、
足を引っ張られては困ります。
ついている人のツキをたっぷりともらうのでなければいけません。
(後略)
西田文朗
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